2014/01/20
弱虫
あたしはそれがいらないような気がした
でも ちゃんと捨てられるか分からなかった
少し 恐い
勝手に無くなってくれたらいいのに
あたしが気付かない間にふっと
それなら そしたら
過去が引き止める 未来がせきたてる
今 あたしは どうすれば?
これから もしも また欲しくなったら
ピカピカの新品を選ぶことだってできる だけど
それは とても あたしに馴染んで
もうずっと あたしだけのもので
やっぱり必要かもしれないと今日も捨てられずに
あたしはなるべく考えないようにした
自然と忘れてる時間もあった
だけど 気付く
それはいつの間にか大きくなって
ポッケにも鞄にも入らなくなって
どこにも 隠せず
頭がせきたてる 心が引き止める
あたしの体は どう動く?
あたしが それを 勢いで捨てたら
ピカピカの新品に目移りしてる隙に 誰か
パソコンのゴミ箱みたいに「確実に」空にしてください
もう戻ってくることは無いと
自分じゃ できそうもない
楽になりたくて でも 苦しくなるかもしれなくて
試すこともできないから だから
あたしは それを とうとう捨ててしまった
麻痺した心に大きな穴があいた
大切だった 必要だった 新品なんかよりもずっと
それはあたしにひとつ残して去った
「ずっと 待ってる」