2014/01/21
カマキリ
前から気になってたんだ
いつも一人で歩いてる君のこと
うつむきがちな君はある日 僕のことを見つけた
君はしゃがみこんで僕を突っついた
僕はびっくりして
自慢の腕を振り上げることも忘れて逃げ出した
もうすぐ季節がゆくよ
風が変わったのに君は気が付いた?
僕はいつも ここで 高すぎる空を見てた
あの日から君は毎日
目ざとく僕を見つけるようになった
君は幸せなんだよ 僕は生きるのに精一杯
ある日の朝
君は道端に転がった僕を見つけて
とても悲しい顔をして命の儚さを知った
僕のと同じように
君の手は自分を守るためにあるんだよ
傷付けるためじゃない そのことを忘れないで
ねえ 見上げてごらん 限りなく高い空を
君のそのきれいな腕を真っ直ぐに差し伸べて
僕のと同じように
君のその手は生きるためにあるんだよ
僕を埋めてくれた優しい手のままでいて